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距離を走るよりは向かい風の方が辛い

 図書館からブログを更新。

 実は本当は昨日更新するつもりで、実家から10km離れた図書館へ「自転車で」向かっていた。
 ついでに冬の日本海でも見ていこう、暖かくなってきたからもう少し走ってみようと走っていたら、いつの間にか金沢にいた不思議。
もちろんちゃんと帰ったけど、多分120kmくらい走った。



 最近「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のCMを良く見かけるので、それについてちょっと書こうと思う。
ちょっとだけネタばれもあるので、なるべく気をつけて書くけどどうしてもダメな人は読まないほうがいいかも。

 原作に出会ったのは、実はこれを書いている図書館だった。
私が本を借りるようになったのは中2のころからだった。当時はあらゆる本が珍しくて、開館前に行って勉強に来ている大学生や大人の人と一緒に開くのを待ち、午前一杯かけて気に入った本を探して制限一杯まで借り、その日のうちに全て読んでまた次の日借りに行く、という感じだった。
 中3になって石川に引越してからはなかなか友達が出来なくて、図書館が遠くなったことや受験が控えていたこともあって回数は減ったものの、中学校の図書館があまり充実していなかったこともあって月に数回は通っていた。そんな中でヤングアダルト向けの本棚で発見したのが「黄金の羅針盤」と「神秘の短剣」だった。
 ライラの冒険シリーズは1994年の「黄金の羅針盤」から始まった全三巻のシリーズで、後に「神秘の短剣」「琥珀色の望遠鏡」と続く。当時はまだ最終巻である「琥珀の望遠鏡」が出てなかったので、読みながらヤキモキしたものだった。
今国内では少し落ち着いた感があるが、ここ数年のファンタジーブームの火付け役はもちろん「ハリーポッター」シリーズである、ハリーポッターシリーズはイギリスの小説なのだが、そのイギリスのファンタジーブームの火付け役となったのがライラの冒険シリーズなのである。

 このシリーズを読んでまず驚いたのは、ヒロインであるライラ・ベラクアのキャラクター造形だった。
このキャラクターはCMや各種広告をみたら単なるおてんば娘と書かれているんだけど、単に行動力ある、というキャラでもなかったりする。ひぐらし知ってる人は通じると思うんだけど、この娘は「口先の魔術師」なのだ。もちろん行動力があって色々冒険するんだけど、ピンチの時は殴るとかじゃなくて、口で攻撃するのである。説得やら恫喝・恐喝なんでもござれだ。どれくらい巧いかというと、10歳にして物語中で「ライラ・シルバータン(雄弁な舌)」なんて称号がつくぐらいである。これと未来を読める黄金の羅針盤を使って冒険するのが第一巻の内容なんである。
これが続編の神秘の短剣になると、自分の敵には容赦ない少年トムが出てくるとより強調される。詳しくはネタバレになるので書かないけど、同じく同人ゲーで例えると、こっちは月姫の遠野志貴なのだ。詳しい人は月姫2の志貴っていうとよりイメージが近いかな。個人的にはこちらの方がインパクトがあった。ぶっちゃけると今のライトノベルに出てきそうなキャラクターなのだ。
更にライラを追いかけてくる敵が「キリスト教」なのも凄い。キリスト教が送りこんできた刺客であるコールター夫人なんか底知れない魅力を持って面白い。

 この話を書いたフィリップ・プルマンは普通に児童文学出身で、他の作品は読んだことは無いんだけど、聞くところによればこんな奇天烈な(一般の小説に比べれば、ライトノベル的なこういう設定はやっぱり普通では無いと思う)設定のキャラクターは出ていないようだ。ハリーポッターなんかはそこまで強烈なキャラクターはいないと思う。ダレン・シャンとかデルトラクエストとか、ハリーポッターのヒットから日本で出版されたファンタジーは読んでいないので、こちらにはそういうキャラクターが出てくるかもしれない。
しかしプルマンは真剣にこれを書いていて、例えばキリスト教についてなども、プルマン自身が幼い頃から熱心なキリスト教信者で、聖書もきちんと暗記しているほどだと言う。日本のライトノベルや、漫画・アニメ・ゲームいずれにも聖書のイメージは頻繁に出てくる。それは聖書が文学的な面白さも秘めた作品だからだけど、大抵単なるモチーフとか用語を使ってるだけで、実際に聖書をそらんじているほどの信者がこういった形でキリスト教を扱った作品を自分は知らない。プルマンは真面目にキリスト教はどうあるべきかというメッセージを込めてこれを書いているのだ。だから単なるネタ元として使っている作品とはその重み、キリスト教を扱うということに対する覚悟が違ってくるのだ。
今思い返すと、こんなにライトノベル的なキャラクターが、1994年のイギリスで生まれたのか非常に気になる。日本ではまだスレイヤーズが全盛でブギーポップシリーズが始まっていなくて、エヴァもまだ放送されていないのに。

 そういえばアニメージュには毎回アニメーターと旬の映画について語るコーナーがあるのだが、今月号は題材が黄金の羅針盤で、ゲストが「デルトラ・クエスト」のキャラクターデザイン・総作画監督の西村博之だった。知ってる人には「ルナル・サーガ」の挿絵などが有名だろうか。西村博之はいわゆる剣と魔法の世界系の西洋ファンタジーが好きで、この作品も最初の「黄金の羅針盤」の邦訳が発売された当時から読んでいてファンだったらしい。映画化するという話は数年前から知っていたが、当初監督を予定していたのがリドリー・スコットなのは知らなかった。でリドリーもライラの冒険シリーズの原作が非常に好きらしくて、リドリーが映画化したらどうなっただろう、と西村博之が言っていたのが感慨深かった。キリスト教関係の描写とかも、原作よりもちょっと甘めになってしまったらしい。いやリドリーの作品はエイリアンぐらいしか観たことないんだけど。
いつかちゃんと一通り観たいと思っていて、で観るならもちろん「ブレードランナー」から。でブレードランナー観るならまずディックの原作「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」を読んでからみたいと思っていて、でなかなか読めなくて結局ずっと観ていないのである。押井守がリドリーとデビッド・リンチには勝てないとラジオやアニメージュの連載で散々言ってるので、なんとしても観なきゃ、と思ってるはいる。。
実際この作品は発表された当初からキリスト教会の反発がすごいのだが。ハリーポッターなんかも結構問題になったけど、魔女の存在が問題になった程度のハリーポッターに比べて、こちらは直接的にキリスト教団が敵なわけで、結構禁書になっているところもあるらしい。カトリックに比べてイギリス国教会の方が理解者が多いんだったかな。そういうこともあるので、リドリー・スコットの人となりを聞く限りでは、確かにこの対談の通り、監督になったらもっと偉い騒ぎになったんだろうと思う。
 個人的にはとにかく原作の知名度の無さが寂しいので、描写が多少甘くなってもとにかく映画化してもらって、もっと原作が広まればいいなあと思う。同人のネタにもしやすいだろうしさ。
あと確かにライラ役の人は良い感じだと思う。新聞広告だと普通の美少女っぽく撮ってあるけど、さっきも書いたとおり実際にはおてんばどころか、かなり小悪魔的な女の子で、宣伝番組とか見たら結構そういう顔付きがハマってるように思う。

 そう言えば最近らいかんすろうぷさんがツンツンキャラというか、こう挨拶代わりに毒舌食らわせるキャラが大好きらしいんだけど、ライラってそういうキャラだよなあ…

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2008.02.23 | Comments(2) | Trackback(0) | 日々のつれづれ

コメント

このブログ読んだら

映画観たくなったwww
観ないけど(´-ω-)




林|´・ω・)
実家帰るのは3月の終わりになるかも

2008-02-24 日 13:17:33 | URL | 雅規 #TYxE//as [ 編集]

んじゃせめて原作読んどけ。
あと3月の終わりになるんなら金沢に遊びにこいよ。

2008-02-24 日 16:11:26 | URL | びっぐべん #- [ 編集]

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